意外と気づかれないのですが、実はボタンには非常に様々な形があるのです。その形は、デザインや用途、素材によって制約を受けます。
ボタンの形の上では糸穴で分けて語られることが多いようです。
また、ボタンがファッションアイテムである以上、微妙なデザインの差に意味があり、 その点でこれらの分類に当てはまらない製品が大半を占めるともいえます。
なお、説明文中の各単語で詳細な説明がリンクされている部分があります。 単語の意味が不明瞭だと思われた際にはご利用下さい。
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四つ穴
二つ穴
四つ穴に比べてカジュアルなイメージが出やすい形です。
フィッシュアイ
舟型の溝の中に糸穴があります。糸が擦り切れにくくなっています
。小さいサイズのボタンに多い形です。
たぬき穴
糸穴のまわりが一段、低くなっています。
糸道付き
糸が通る部分が一段、低くなっています。 糸が擦り切れにくくなっています。
フィッシュアイに対して、ジャケット、コートに使う大きなサイズに多い形です。
レンズ型
レンズボタンと呼ばれよく使われます。
たらい型
「皿」と呼ばれて混同されているようです。
皿型
平型
おわん型
トンネル足
切削のボタンに多い足です。 縫い付けた状態で最も安定する形ですが、
それだけにボタンホールに通すときに若干通しづらいこともあります。
船底足
2タイプあります。これも切削のボタンに多い足です。
アーチ足
ABS、ナイロン、アクリル等のインジェクションのボタンに多い足です。金属ボタンにも多い足です。縫い付けた状態で若干不安定なのが欠点です。
分銅足
あまり多くはありませんが、金属ボタンなどで見かけられる足です。縫い付けやすく、
ちょっと高級感があるように見える足です。
丸足
切削のボタンに多い形です。 工程的に作りやすいためか、安価なボタンに見受けられます。
ボタンの厚みの割に、ボタンの背が高く見えてしまうのが欠点です。
一体構造
比較的安価な構造ですが、材料に厚みがなければなりません。
また、材料に強度がないと無理のある構造です。インジェクションのものは一般に一体構造です。
接着
材料の厚みや強度の制限がない反面、接着強度が弱いと製品が不良になってしまいます。
ワンプッシュ
組み合わせボタンの、のせこから出ている足が土台を貫通してとまっています。
加工の手間が少なく、接着強度の心配がないという反面、のせこの材料に(ABS、ナイロン、アクリルのように)弾力性がないと出来ない構造です。
また、それぞれのパーツの精度が非常にシビアで、土台にも若干の弾力性がないと、
土台が割れてしまい、不良品になってしまいます。
平型
碁石型
俗に平マーブルと呼ばれる物もこの種です
天丸型(半丸)
実際は山高型を指している場合が多いようです
山高型(羊玉)
玉型(鈴丸とも言われます)
ブラウス等に使う小さなボタンとして非常に人気の高い形です。
ガラスビーズにもこういう形のものがありますね。
アクセサリーの世界でも人気のある形のようです。
丸型
コスト的にもっとも安価な形です。当然生産性も最も高い形です。
楕円型
縦に長い楕円の場合もあります。
角型
見かけの割に非常にコストが高い形です。
角丸型
「かどまる」ではなくて、「かくまる」と読まないとややこしくなります。
三味線胴型
テレビと呼ばれることもあります。ちょっと旧式のブラウン管がこういう形ですね。
角丸型と混同されていることも多いようです。
ボタンのサイズは上面から見た一番大きい径で測ります。 但し、特に厚みがあるもの等は、実物にあわせてボタンホールを作らないといざ、 洋服に縫い付けたらボタンホールにボタンが通らない、ということもあるのです。
ボタンのサイズを測ります。
ボタンのサイズの単位は一般的にはミリで表示されますが、 輸入品ではまれにラインという単位で表示されます。
ミリ | 10 | 11.5 | 13 | 15 | 18 | 20 | 23 | 25 | 30 | 35 | 40 | 45 |
ライン | 15.7 | 18.1 | 20.5 | 23.6 | 28.3 | 31.5 | 36.2 | 39.4 | 47.2 | 55.1 | 63.0 | 70.9 |
1ライン=1インチ/40で、
1インチ=25.4ミリですから、
1ライン=0.635ミリ
10ライン=6.35(6.4)ミリ
という具合に計算されているようです。
上記の標準サイズ以外にも、中間サイズの製品も数多く存在します。 例えば「力釦 (ちからボタン) 」と呼ばれる小さな裏ボタンは7,8ミリですし、 20ミリでなく、21ミリのボタンも多く、 大きいサイズのボタンでは27,8ミリ前後、 32,3ミリ前後のボタンも多いのです。
(C) Yoshiyuki "Dr.K"
Takano,
CIPHER DESIGNS,
1997-2005